こちらの記事マドプロ国際出願の事後指定( マドプロ出願時に指定しなかった指定国を後から追加すること )の仕方を紹介します。
マドプロ事後指定の仕方
国際登録後に指定国を追加したい場合は、また初めから出願するのではなく、既存の国際登録に「事後指定」により指定国を追加することが可能です。
ただし、既存の国際登録に記載されている商品/サービスの範囲内であることに留意してください。
事後指定できる時期は?
マドプロ国際登録の登録後に事後指定することができます。
事後指定の効力発生日は?
事後指定が認められた場合は、事後指定の日が効力発生の日になります。
なお、存続期間は事後指定の日ではなく国際登録日から起算して計算されますのでご留意ください。
事後指定の手続き方法
事後指定は以下の2つの方法があります。①のWIPOサイトの方が支払いまでできて簡単なのでおすすめです。
①WIPOサイト E-Subsequent Designationを利用する
②様式MM4を利用する
WIPOサイト E-Subsequent Designationを利用する
WIPOのサイトE-Subsequent Designationから事後指定を行うこともできます↓
以下の事後指定の画面になりますので、国際登録Noを入力し、追加指定したい国を選択します↓
なお、以下の場合はE-Subsequent Designationが利用できず、様式MM4を利用しての事後指定が必要になります。
●法人格や標章の翻訳のように、国際出願時に記載しなかった特定の項目の記載を求める場合
●更新や変更、一部取消しが記録された後に事後指定が記録されることを要求する場合
●同時に、代理人を選任する、又は、電子通信(e-communications)の登録を希望する場合
●名義人の締約国官庁を通して事後指定を提出する必要がある場合(アルジェリアが事後指定対象又は名義人の締約国官庁である場合)
様式MM4を利用する
様式MM4を作成し提出します。
様式MM4は特許庁『【商標の国際出願】願書等様式』からダウンロードすることもできます。
なおMM4の提出方法は以下の2つから選択してください。
a.日本特許庁経由で国際事務局へ提出
b.国際事務局(WIPO)へ直接提出
事後指定の手数料と納付方法
◆日本国特許庁に支払う手数料
日本特許庁経由で様式MM4を国際事務局に提出した場合のみ、4,200円の特許印紙を張り付けたA4用紙を使って日本国特許庁へ支払います。
◆国際事務局に支払う手数料
Basic Fee(基本料金)・・・300CHF
Complementary Fee(付加手数料)・・・100CHFx指定国数
Individual Fees(個別手数料)・・・指定国による
事後指定の国際事務局手数料については、簡単に計算できるWIPO公式FEE CALCULATORがあるのでそちらを利用するのがおすすめです。
その際、Type of Transactionは、subsequent designation(事後指定)を選択してください。
別記事でFEE CALCULATORについて使い方を解説していますのでよろしければご参照ください→『マドプロ出願費用はいくらか自分で計算する方法』
国際事務局手数料の支払いは、前述の『E-Subsequent Designation』で支払い可能です。
なお、手数料はクレジットカードで支払うのがおすすめです。
WIPOに開設した口座からも支払い可能ですが、中継銀行における手数料は振込者(名義人あるいは代理人)の負担になるため差額が生じる場合があることからクレジットカードでの支払いの方がいいと思います。
まとめ
今回は、記事マドプロ国際出願の事後指定( マドプロ出願時に指定しなかった指定国を後から追加すること )の仕方を紹介しました。
事後指定は、新たにマドプロ出願をするのではなく、既存のマドプロ国際出願登録に指定国を増やすことができるため、手続きも簡便で費用もお得な手続きです。
国際出願後にあの国も指定しておけばよかったと思ったときこの「事後指定」を利用してみてください。
以前は様式MM4を提出する必要がありましたがWIPOのE-Subsequent Designationで手続き及び支払いがスピーディーになりました。
よろしければ、E-subsequent designationに関するビデオチュートリアルをご参照ください。http://www.wipo.int/madrid/en/video/osd.html
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